2  寄付金と共にキーウィの応援と優しさも届けたい!/ニュージーランド
「WOMAD」のゲート前での募金活動では、キーウィの寛大さに脱帽。お礼に差し上げた折鶴が大好評だった

ニュージーランドの片田舎、ニュープリマスで東北地方太平洋沖地震の被災者のための熱い募金運動が現在展開されている。

「善は急げ」と、地震発生後の翌週末、私たちは『WOMAD』という世界の音楽とダンスを集めたイベントのゲート前で募金を呼びかけていた。ありがたいことに主催者側、役所の許可があっという間におりたからだ。2日半のイベント期間中、16時間の活動を展開。募金してくれた人には折鶴をさしあげた。

50ドル札を気前よく差し出す人、財布をさかさまに振ってお金を出す人、見回りの警察官も寄付してくれる。自分のお小遣いを差し出す子どもやティーンエージャー。うれしい。警備員までが道行く人に募金を呼びかけてくれる。頼もしい。募金してくれる人は皆励ましの言葉をかけてくれる。2日間で集まったお金は50万円近くにもなった。

その翌週末には『マルチエスニック・エクストラバガンザ』という各国文化を経験できるイベントでも活動を行なった。異文化に興味を持つ人たちが集まるイベントが2つもこのタイミングであったのはラッキーだった。

制服ではなく、日本の国旗の色、赤と白の私服を着て登校し募金を募るマフティ・デー(※注)もある高校で行われた。ランチタイムにおにぎりとお好み焼きが売られ、その売り上げも日本に寄付。義捐金集めに、ニュージーランド・日本友好協会の会員が焼くケーキは飛ぶように売れた。

おにぎり、お好み焼きの具の肉類など、地元のお店や企業が寄付してくれ、マフティ・デーのランチタイムはにぎやかだった

日本の地震のわずか数週間前、南島のカンタベリー地方が地震に襲われた。キーウィは日本の被災者の痛みを知っている。日本とニュージーランドの関係が密なだけに、日本の地震・津波とそれに続く原発事故の被害に多くのキーウィ(ニュージーランド人のニックネーム)が心を痛めている。

もうすぐ始まる子どもたちの休暇中には博物館で義捐金集めの日本文化のワークショップを開く。お金だけでなく、日本の被災者をいたわる気持ちが海を越えて日本に届くことを祈らずにはいられない。


※注:ニュージーランドではみんなで力を合わせて支援する、支持する、サポートする際に”Mufti Day”を設けることが多く、普段義務付けられている制服を着ずに、その事柄をサポートするにふさわしい服装で支援の気持ちを表すというものです。

クローディアー真理/プロフィール
ここ一ヵ月、仕事に加え、募金活動に東奔西走中。子育て、エコ関連、お酒関連などの執筆をこなしつつ、日本の地震の少し前にあった国内カンタベリー地方の地震の被災者へサポートがどのように行われているかが日本の被災者の役に立つのではないかと発表の機会をうかがっている。また、核を持たないニュージーランドから今回の原発事故を踏まえ、何か提言できるのではとも考えている。