第4回 オリンピックと子どもたち

タワーブリッジに五輪マーク

賑やかに、華やかに、ロンドン五輪が幕を閉じた。交通の面など、どんな恐ろしい混乱が生じるのかと危惧されていたが、ふたを開けて見ると大きな問題も無く、その意外な組織力の高さにロンドン自体がびっくりしていたようであった。

ピンクの制服を着てにこやかに観客を誘導するたくさんのボランティアの方々と、色とりどりの万国旗が街中に溢れ興奮に包まれたこの夏を、子どもたちもきっと忘れないだろう。


オリンピックパーク内

ロンドン・オリンピック開催前、それぞれの小学校でも小さなオリンピックが開催された。例年なら、「スポーツデイ」と呼ばれる運動会の一日が、「ミニオリンピック」と名付けられ、子どもたちは好きな国のユニフォームを着て参加する。多文化多民族シティのロンドンだけに、様々な国旗が子どもたちの背中を彩っていた。中には、ひいきのサッカーチームのユニフォームを着た子どもたちもいたが、「自国を応援」という意識が緩やかに身に付いたように思う。

各国を応援する子供たち

わたしたちもせっかくロンドンに住んでいるのだから、アスリートのがんばりを子どもに見せてあげたい、そして日本選手を応援したいと思い、いくつかの競技に足を運んだ。ロンドンから電車で一時間程度の街「コベントリー」では、女子サッカー「なでしこジャパン」の初戦! ちょうど、ゴール裏の右手に座っていたので、大野選手のみごとなパスも、角度があるところからの川澄選手の素晴らしいゴールも、まさに目の前。決勝のアメリカ戦でも、あきらめず粘り強いプレイを見せてくれた彼女たちを、息子も日の丸のフェイスペイントでずっと応援していた。

なでしこの応援。銀メダルおめでとうございます。

マラソンの尾崎選手に大きな声援を

開催国イギリスは、メダルの数が65個、世界3位という好成績。特に『スーパーサタデー』とニックネームがついた4日の土曜日は、6個の金メダルを獲得するという快挙で、国中が湧いた。中でもゴールデンガールと呼ばれる陸上のジェシカ・エニス選手や、イケメンのサイクリスト、ブラッドリー・ウィギンス選手、男子1万メートル走を優勝したモー・ファラー選手はすっかりオリンピック・ヒーローに。世界最速の男、ボルト選手のお決まりポーズと並んで、モー選手が頭の上で作るMのサインも、子供たちの間で大ブームだ。彼らの目に、ヒーローたちはさぞ輝いて映っていることだろう。

今回残念ながら、オリンピック・スタジアムでの観戦は叶わなかったが、それでもスポーツに心動かされ、感動し、悔しさに身を震わせ、そして母国を誇りに思う素晴らしい体験となった。この感動が覚めないうちにと、残りの夏休み期間中、息子をスポーツキャンプに送り込むと、同じことを考える親は少なくないらしく、息子の学校の友達がすでに7人ほど顔を揃えていた。すっかりボルト選手の決めポーズもマスターした事であるし、未来のオリンピック・アスリートを目指して「頑張れ、こどもたち!」

平川さやか/プロフィール
フリーライター/フォトグラファー/メディアコーディネーター。北海道札幌市生まれ。ファッション、インテリア、旅、キッズの分野を中心に、取材、撮影、執筆を手がける。オリンピック期間中はTV取材のコーディネートに奔走。中継スタジオで、メダリストの方々にお会いする幸運にめぐまれました。ヴァージンアトランティックのブログVもよろしくお願いいたします。