177号/凛 福子

今、こうして編集後記を書いていられるということは、2012年12月21日に世界が終焉を迎えなかったから(笑)。もちろん、あたりまえの結果である。

なぜ、この情報化時代に日ごろ自分たちが使ってもいない暦の、それも読み違いとしか思えない情報に振り回される人々が世界中に存在するのか、私には皆目見当もつかない。

実際、その日はサイクルの長いマヤ暦の終わりの日、つまり大晦日のような日であり、世界の終わりだなどとはどこにも書かれていないらしい。もちろん、そのような情報も簡単に調べられる。にもかかわらず、NASAにも問い合わせが殺到したようだが、お門違いな問い合わせを受ける側も大変だ。

かつて全米で、ラジオ番組「宇宙戦争」の放送を聞いた人々がパニックに陥ったという逸話が今も語り草になる。しかし、その当時からすでに70余年が経ちその間に情報伝達のインフラは飛躍的に進歩したというのに。

つまりは、情報は伝わるかどうかはもちろんだが、最終的にはどんな情報をどのように入手し、それを受け取った人がどう判断するか……ということが大切なのだが、そこはまだまだ発展途上ということか。

本当に人類が、地球が、終焉を迎えてしまわないために、考えなければならないこと、しなければならないことはたくさんあるはず。まずは伝達方法の発達により巷に溢れかえるようになってしまった玉石混交の情報から正しいものを選びとる力を、もっともっと磨かなければ。そう実感した2012年の暮れである。

(日本・東京在住 凛 福子)