187号/スプリスガルト友美

日本にいると、新学年の始まる春は気持ちよく、何か新しいことを始めよう!とウキウキした気持ちになるものだ。ところがポーランドの新学年の始まりは秋。-20度にまで下がる冬を目前に控え、日に日に日差しは弱まり、曇りがちの日が増えるようになる。そうして、憂鬱な気分に陥っていく……。

我が家では9月から娘が幼稚園に通い始めた。ポーランドでは5歳児は幼稚園に行くことが義務化されているので、例外に漏れず、近くの幼稚園に行かせることに。初めての集団生活。親の心配をよそに、すぐに新しい仲間のところに溶け込んで、毎日楽しそうに通っている。娘にとっては秋に始まる新学年の憂鬱さは無縁のようだ。

新学年を始めたのがここにもう一人。もうすぐ20歳になる、日本の友人夫婦の娘さんだ。ポーランドでの大学進学を目指し、まずはポーランド語を習得ということで、10月から我が家にホームステイしながら語学学校に通っている。しかし、複雑な格変化があり、英語とはまったく違うタイプのポーランド語。どんよりした天気とともに気持ちも沈んでいくようで、心配になってしまった。

そんなとき、助けになったのが編集部の仲間だった。ご自分の体験やお子さんの体験など、幅広い経験談とともにご助言をいただけた。さすが世界に散らばる地球丸編集部!それに加えて自分の留学生活を思い出しながらその娘さんと話していくうち、彼女なりにポーランド生活を楽しめるようになってきたようで、次第に笑顔が戻ってきた。

今の目標は、ポーランド人の友人宅で過ごすことになるクリスマスには、少しでもポーランド語で会話することだそう。そのヤル気を応援したい。

(ポーランド・ポズナン在住 スプリスガルト友美)