211号/凛 福子

10月31日はハロウィーン。今や街中にハロウィーンのディスプレイが溢れている。しかし、数年前まではこんなディスプレイが見られたのはごく一部、そしてハロウィーンがどの日かなんて知らない人のほうが多かったはず。本当にこの数年で、一挙に人気急上昇という印象だ。

朝のバラエティー番組によれば、日本のハロウィーンを見物しに海外から人が来るというから驚き。なぜなら、日本のハロウィーンは10月31日に向けて1週間くらいあちこちでイベントが行われているからとか。日本人のお祭り好きな一面にマッチしたのが盛り上がっている一因だろうか?

このように海外の文化が入ってきて盛り上がりを見せると、必ず批判する人が出てくる。しかし、私はいろいろな文化に触れることは大いにけっこうだと思う。日本の文化ではないというが、ハロウィーンだって元来はケルト文化が欧米に広まったものだ。日本だってそれを受け入れてもかまわないだろう。街中で、おめかししてごきけんなプリンセスや怪獣になりきった子どもたちに出会うのはけっこう楽しい。

とくに子どもたちについては、日本人の両親のもと、日本で生まれ育ったとしても、その後どんないきさつを経て、どこの国籍を持つ人になるのかは未知数。さまざまな文化に触れ、受け入れ、楽しむというマインドをしっかり育んでほしい。

ただし、ハロウィーンしかり、クリスマスしかり、仮装やディスプレイなどの華やかな面だけでなく、その文化的背景をも、きちんと理解するようにしたい。そして、若者や子どもたちにもそうしてほしい。文化や言葉の理解がほんの少し足りなかったことによるあの悲しい事件が、二度と繰り返される事のないように。

(東京在住・凛 福子)