235号/凛 福子

東京では、今年の夏……いや、6月は空梅雨だった。たいして雨も降らないうちにいつの間にか夏! と思っていたら、それもつかの間、8月に入ると雨ばかり。まるで梅雨のような天気で、雨の日の連続記録はなんと21日。40年ぶり、歴代2位の記録となった。記録といっても、ちっともありがたくない感じ。

それでも夏なので、それなりに蒸し暑く、洗濯物はたくさんあるのに洗っても乾かないし、気分的にもパッとしない。もう、うんざり……なんだか夏らしい夏を感じられないままに、秋風が吹きはじめた。

こんな天候のせいか、いつも朝の散歩で楽しみに眺めている花たちも様子がおかしい。開花の時期が早かったり、遅かったり、ヘンなタイミングで二度咲きしたり、と狂い咲きだらけ。花つきも悪かったりあまりキレイじゃなかったり、と残念な様子しきり。

それでも蒸し暑さがおさまり、やっと爽やかな秋が……と気を取り直すも、10月に入ってから真夏日があったかと思えば、また冷たい雨、雨、雨……ついには、いきなり12月並みという寒さがやってきて、慌てて冬物を引っ張り出すことに。

10月半ばに都心で最高気温が13度を下回るのはなんと60年ぶりとのこと。すっかりおばさんになった私でも、生まれてないじゃない! 「日本らしさ」が失われつつあると囁かれて久しいけれど、大きな魅力のひとつである豊かな四季すら楽しめなくなるのは本当に哀しい。

せめて、秋の味覚だけは! と、やけ食いに走る今日このごろ。はてさて、今年の冬は寒くなるのかなぁ……!?

(東京在住・凛 福子)