第3回 免疫力を高めることのたいせつさ

恐るべし、新型コロナウィルス! いやはや、日々の穏やかな日常がこれほど簡単に破壊されるとは!! 未知のウィルスに罹患する恐怖以上に、それにまつわるあらゆることから派生する混乱も想像を絶している。「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがあるが、一見するとまったく関係なさそうな場所、ものごとへの波及力に呆然。恐怖や不安に駆られて平常心が保てなくなる人の行動にもハラハラドキドキ。たしかに心は落ち着かない。それでも個人としてできることは、冷静になり、自分のできる範囲で良いと思うことを続行、そして病気から自分を守るためには免疫力を高める努力を怠らないことだ。

なんてことを心しながら、前回の“ステイ・ヘルシー”の続き。

これまでの自分の暮らしぶりの反省をしてからというもの、暮らしに科学を取り入れようと心がけている。「まわりがしているから自分もする」「これまでもそうだったから」といった意味のない習慣を続けることは自分の未来のためにならないと気づいたからだ。今さら遅すぎるが気づかないよりはいい。「科学を取り入れる」と言っても、そんなに大げさなことではない。たとえば、食べ物に関してなら、科学的根拠に基づき、体に悪いことが明らかになっているものは避け、良いとされるものをしっかり摂るだけのことだ。

ネットではいろんな情報が氾濫しているからこそ、その気になれば信頼できる情報を得ることは難しくない昨今だ。ただし、盲信は禁物。科学的根拠が示されていても、現時点でわかっていることに過ぎないし、諸説あることも事実で、全てに万能なデータが示されているわけではない。それでも迷信や、悪習慣、巨大企業が仕掛ける売るためだけの宣伝に振り回されるよりはマシだ。ネットのないころなら、本屋で書物を探すとか図書館で調べるなど情報収集の時点で躓かざるをなかっただろうから、そう考えれば今は「その気」があるかないかだけだ。

食は身近なことだけに、栄養や安全性などいろんな角度から調べることはけっこう楽しくて、知ることは趣味となった。昔、習ったことや信じていた常識は間違っていたり変わっていたなんてこともわかり、日々アップデートすることの大切さを思い知る。とはいえ、「これが正解」なんてものもない。情報を精査し、「自分にあった正解」を見極めていくことしかできない。そして、集めた情報を活用しなければ意味もない。

新商品の購入時には、表示されている栄養成分表示を必ず確認するようになった。食品の安全性と栄養価は分けて考えなければいけないが、発がん性やアレルギーリスクが指摘されている添加物を含む食品は栄養以前に、「毒」と認定して買わないことにしている。これだけで、買い物はとてもシンプルになった。昔は気にせず食べていたインスタント食品はもちろん、香料を使った乳製品や、甘いシリアル、ジャンクフードに分類されるスナック菓子、ハム、ベーコン、ソーセージなどの加工肉、簡単便利なカット野菜、できあいのドレッシングや合わせ調味料、体に良くない油など、今や全て「マイ毒リスト」入りだ。

それでは、さぞや不便で粗末な食生活になったと思われるかもしれないが、結果としては、「体に良い食生活」を追求するうちに、発酵食品、保存食、常備菜、スープ用ブロスなどは安全な材料でホームメイドという新たな習慣を生み出し、よりおいしい自家製クッキングライフを楽しんでいる。

そもそも、加齢とともに最近はあまり食べられなくなっている。基礎代謝も確実に落ちてきているので、カロリーばかり高くて栄養の乏しいものより、栄養価の高いものを効率的にバランスよく食べて、免疫力を高めたいものだ。特に、がん予防効果や解毒作用が認められている食品は意識して摂取している。どうせお金を払うなら毒より栄養だ。

ところで、話は逸れるが米国の人気テレビ番組で、「My 600-lb Life」というリアリティーショーがある。欲望に任せて食べた結果の過食により、体重が300kg以上になってしまった人たちの日常、生い立ち、減量手術を追う内容だ。極端なケースではあるが、いかに不健康な食生活と運動不足が人の健康を蝕み人生を壊すかが伝わる番組であり、自己コントロールのたいせつさを教えてくれる。そんな番組をチラ見するとモチベーションはより上がる。

わたしの場合、食習慣を変えてからの効果はしっかり自覚できている。2013年にアレルギー性の喘息で医者に駆け込んだのを最後に、薬や医者の世話になったことはない。春から夏は花粉症や肌荒れに悩まされていたのも消滅した。もちろん因果関係は証明しようもなく単なる偶然かもしれないが、必要な各種ビタミンをしっかり食べ物から摂るように心がけている成果ではないかと、勝手に推察しながら、とにかく調子が良いのだから継続しようと思っている。

椰子ノ木やほい/プロフィール
添加物をなるべく避ける暮らしをはじめてからというもの、わたしの体は食べ物に入っている化学物質に過敏に反応するようになった気がしている。日本に帰国するたび、コンビニやお惣菜コーナーで売られているものが以前のようにおいしく感じられなくなったし、レストランで出てくるサラダでさえも消毒臭さが気になってしまう。チェーン店のラーメンスープも化学の味でがっかりすることが多くなったことは、はてさていいんだか、悪いんだか……。