第3回 ダーバンってどんなとこ?

2020年1月~3月まで、南アフリカのダーバンで過ごした日々を綴る南アフリカ滞在記、いよいよ本編をお届け。

南アフリカといえば、昨年、日本で開催されたラグビーのワールドカップで優勝し、一躍、日本での注目度が高くなったものの、実際どんな国か、イメージできない人も少なくないだろう。まずは私自身のおさらいの意味もこめて、南アフリカ、そしてダーバンがどんなところか、簡単にまとめてみた。

といっても、私も詳しいことはよくわかっていないので、ソースは外務省と在南アフリカ日本大使館のウェブサイト。このコロナ禍の影響も含め、データが必ずしも最新情報ではないことをはじめにお断りしておく。

まずは国の概要から。アフリカ大陸の南に位置し、南半球にあることから日本とは季節が逆である。正式な国名は南アフリカ共和国(Republic of South Africa)。長いため、南ア(なんあ)と略されることもある。

オランダの植民地であったが、1910年に「南アフリカ連邦」が独立、1961年に「南アフリカ共和国」が成立、アパルトヘイト(人種隔離)政策が撤廃された。

首都はプレトリア……だが、日本人にも知られる最大の都市はヨハネスブルグだろう。人口は2018年のデータによれば5778万人。英語、アフリカーンズ語のほか、ズールー語をはじめとして11の公用語がある。

友人宅の庭から望む朝の景色

私が滞在したのは、日本から移住した友人が住むダーバン。人口ではヨハネスブルグに次ぐ規模。インド洋に面し、輸出入の拠点となる重要な外港を持つ港湾都市である。クワズール・ナタール州に属し、ズールー族が多い。

さて、スペックとしてはこんなところだが、もう少し肌感覚の私のイメージをお伝えしよう。それぞれに詳しい逸話があるのだが、さしあたりサラッと全体を流してみる。

環境としては、自然がいっぱいで、気候の変化も穏やかで過ごしやすいところ……というのが最初の印象だ。というのも、実はプロローグでも触れたが、私にとってダーバンは今回の滞在が初めてではない。最初に訪れたのは2018年6月。季節は秋の終わり、日本……というか、私にとっては東京の、今時分と同じくらいの時期であった。しかし、ここ数日の東京のようにどんよりと肌寒いこともなく、陽射しのある昼間には半袖でも過ごせるくらいだった。

その時のダーバン訪問の理由は友人のお嬢さん結婚式に招かれたことであったが、披露宴はガーデンパーティー。「雨が降る心配はないの?」と聞くと、この時期にはその心配はないというほど。友人が移住先をダーバンに決めた理由のひとつが、この快適な気候だとのことだった。

今回は、寒いのが大嫌いな私にとってはうれしいことに冬の日本を飛び出して、夏の訪問となったわけだが、湿度が高くないこともあり、気温は30℃近くなることはあっても、日本の夏のような“うだるような暑さ”になった日は、ほぼなかったといえる。

クリーニング店にも鉄格子

また治安については悪化が取り沙汰されているが、私が滞在させてもらった友人宅は都市部からはちょっと離れた郊外にある、セキュリティの整った住宅街エリア。たとえて言えば、ダーバンの都市部が横浜なら、鎌倉の山側のあたりという感じだろうか。日本とは国土の規模が違うので、実際の距離や面積や方角は度外視で、あくまでもイメージだが。

ただし、まれに市街地に行くときには、出かける前に身の回り品にくれぐれも気をつけるように、また、友人から離れないようにとのお達しがあった。前回と今回と合わせて述べ90日ほどの滞在中、ダーバンの街にでかけたのは、ほんの2~3回だが、両替所や携帯電話ショップなど金目のものを扱う店は鉄格子のついた小さな窓からやりとりするようなところが多い。これまで世界のあちらこちらを訪ねたが、そんな光景はまず見かけなかったので、さすがに身構えた。

帰り道、高架の道を走る車の窓から垣間見た市場は、独特の危なげな気配を醸し出していて「あそこには行っちゃダメよ」と言われたが、いや、言われなくても行かないな……と思った。いつもの一人旅では、現地ならではの活気と雰囲気が味わえる市場は、まっさきに足を向けるスポットなのだが。

ディスプレイもオシャレなスーパーの売り場

滞在先の友人宅の徒歩圏内には、ちょっとした買い物をするところもなく、歩いて出かけるのは犬の散歩くらいで、あとは完全な車社会。15分も走れば、スーパーやカフェ、ショッピングモールがまとまったエリアがある。滞在先の近くこのような場所は、ひとりで歩いたりお茶を飲んだりできる雰囲気。ときどき、誰かの運転する車でそういうエリアに連れて行ってもらうという状況だったので、幸いにも日々の暮らしで怖い思いをすることも、もちろん不便なこともなかった。

言葉については、冒頭で触れたようにいくつかの公用語があり、ダーバンではズールー語が多く話されるようだが、看板やスーパーの商品の表記は基本的にすべて英語で、スーパーや一般的な商店の店員も英語を話すので、買い物に行ったものの、なにもわからず途方に暮れるということはない。スーパーでは、さまざまな背景からも、イギリスにいるのとさほど変わらない雰囲気だった。物価は一昔前のアジアのように安いということはないが、東京よりは全体的に少し安め。もちろん、まれに日本では見かけないようなものも売られてはいるが、食材や調味料類などほとんどのものは、少なくとも見てすぐになんだかわかるようなものばかりで、ちょっと拍子抜けするほどだ。とにかく、日常的な買い物に困るようなことはまったくなかった。

そんな極めて快適な状況で、前回の2週間ほどの滞在よりだいぶ長い、私の南アフリカ・ダーバン滞在はスタートしたのだった。

凛 福子(りん ふくこ)/プロフィール
東京在住。日本とアジアを中心に世界各地を、旅モノと食べモノをメインテーマに飛び回る日々……は、いっこうに戻ってこない。ヨーロッパなどではまたもや感染拡大というニュースが伝えられる中、日本でも感染拡大が面得られる一方、海外からの出張者の受け入れが検討されていて混乱。観光客として普通に海外旅行ができるのはいつのことやら。せめて国内を……そろりそろり動きはじめよう。