3 学歴、資格、親の年収まで!?驚きの韓国履歴書事情/韓国

LINEで送る

幼児期からの外国語教育、熾烈な大学受験戦争など教育問題がクローズアップされがちな韓国であるが、その背景には「学歴至上主義」があると言える。「有名大学を出ることが将来を約束される」と考えられている韓国では、就職に関しても自身の学歴や資格を初め、様々な長所や特徴をいかにアピールすることが重要とされる。

就職希望先には履歴書の他に「自己紹介書」を提出するのが通常となっている。「自己紹介書」には「志望動機」や「長所、短所」、「特技、趣味」、「資格」など内容的には日本とそれ程大きな違いはないと思う。

ただ、日本の場合、自分の能力やエピソードを述べる際は、誇張や過剰な表現やアピールはできるだけ避け、控え目ながらも相手に自分の意志をはっきり伝えることができるような履歴書、自己紹介書作りが求められているように感じられる。しかし、韓国では、経験や資格、特技などをいかに「自分が持つ能力として優れているか」をアピールすることが重要とされている。特に、英語や日本語など外国語は韓国でも「就職に必須」とする会社も多いため、外国語に関連した「特技」や「資格」は自分がどのように語学や資格を習得し、いかに自信や能力があるかを全面的に強調しているものが多い。「得意」と言うまでには少々至らない分野のものでも、誇張して自分の能力を少しでも高く見せるかが勝負なのである。

また、履歴書には日本と同様に写真の添付が義務付けられているが、履歴書用の写真というのがこれまた韓国では気合が入っているのだ。履歴書の写真には芸能人のような写真写りさながらに画像編集ソフトを活用して修整したり、専門店でも同様に希望によって修整や色合いを変えてくれるなど、写真1枚にも「自分のアピール手段」として力が入る。

そして、かつては親の年収や学歴を記す欄が履歴書にあった。さすがに「個人の能力に直接関係ない」、「人権侵害だ」などと問題視され、現在では、記入項目からこれらの内容は削除されているものの、「写真」の件と言い、先述の「学歴至上主義」にしても「外見」や「物質的なもの」を重要視する韓国の特徴を現していると言える。

原 美和子(はら みわこ)/プロフィール

2002年から7年間韓国在住。現在は夫の仕事の関係でタイに在住。ライター、翻訳業。幼児期からの教育熱が高い韓国をしばし離れ、親子でのんびりとタイ生活を只今、満喫中。