第6回 迷い犬の命を救った市民の温かい心/ノルウェー

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単にペットとしてだけでなく犬ぞりレースや狩猟のために犬を飼う人も多い

地元新聞紙Altaposten(アルタポステン)に、迷い犬の記事が載ったのは8月6日。犬ぞり用の犬を飼育しているセンターが、2匹の迷い犬を保護しているという。ノルウェーでは、ペットに対する責任は非常に重く捉えられており、飼育を放棄するような人はめったにいない。事情により飼えなくなった場合には、インターネットなどで次の飼い主を探す。そのため、野良犬や野良猫を見かけることはない。

センターの規則では、迷い犬は1週間保護し、飼い主が現れるのを待つ。この2匹には飼い主が現れなかったが、人にもなついており凶暴性もないことから、特例として保護期間を1週間延長した。しかし、いつまでも2匹を置いておくわけにもいかず、2匹を待っているのは安楽死。そこで、新聞紙上で飼い主を募集したのだ。

センターには、この記事を見た人々から電話が殺到。記事が掲載されたその日のうちに70件以上の問い合わせがあり、無事、2匹の飼い主が決まった。その後も、「今後また、引き取り手のない犬がいた場合には是非飼いたい」という申し出がいくつもあったという。

ノルウェー人にとって、犬は大切なパートナー。なんとも心温まるニュースだ。

情報ソース:Altaposten

御供理恵/プロフィール
2010年よりノルウェー在住。幼い頃、学校帰りに見つけた捨て犬を拾った経験あり。田舎であることをいいことに、庭の中を放し飼いというノルウェーの人が聞いたら驚くような飼い方をしていたが、彼女はストレスの少ない幸せな人生(犬生?)を送ったのではないかと思っている。犬を飼うことは夫婦共通の夢だが、家と庭の広さや子どもたちの年齢など、検討事項が多く保留中。ウェブサイト「Arctic Rainbow」