第3回 犬の海外渡航:検疫手続き・飛行機

ペット連れでの海外渡航。オーナーならまず気になるのが、飛行機の安全性と検疫手続きについてだ。何時間のフライトなのか、空調は大丈夫なのか、離れている間どんな扱いをされるのか、すぐに入国できるのか。口がきけない愛くるしいペッ...
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ペット連れでの海外渡航。オーナーならまず気になるのが、飛行機の安全性と検疫手続きについてだ。何時間のフライトなのか、空調は大丈夫なのか、離れている間どんな扱いをされるのか、すぐに入国できるのか。口がきけない愛くるしいペットを見つめると、心配事はつきない。

我が家は犬だけでなく2歳の幼児連れでもあったが、犬の方が数倍心配だったし手続きが大変でもあった。子供は国が変わっても守られ優遇される存在だが、犬はそうはいかない。ましてイスラム圏となればどうなるのかと不安であった。

まず検疫手続きについて。

これはとにかく煩雑でわかりにくい。けれど、最近ではマイクロチップの普及のお蔭で、多くの国で手続きさえ事前にしっかりしておけば係留措置なく入国できるようになった。ちなみにクアラルンプール国際空港からの入国時も係留措置はなかった。(ここで敢えてクアラルンプールと書いたのは、サバ州、サラワク州などの東マレーシアはまたルールが異なるからだ。)

検疫手続きについて経験者として2つアドバイスさせていただこう。

その1:日程に余裕をもって手続きを開始する

自国での待機期間が3か月程度設定されていたり、狂犬病抗体検査や予防接種など、手続きには意外と時間がかかる。半年前には必要な手続きをチェックしておきたい。

その2:関連機関には必ず自分で確かめる

最近では検疫手続きについてHPやブログなどで詳しく情報を公開してくれる人も多く、大変有難い。しかし、検疫手続きは日々変更される可能性がある。日本及び渡航国の動物検疫所など関連機関には必ず連絡を取り、手続きについて自分で確かめること。

ちなみに検疫所の成田支所の担当者はどの方もとても親切で、大変心強い存在であった。

一方マレーシア側は、電話がずっとつながらない、メールの返信がない、人によって回答が違うなど不安な点がいくつかあったため、必要書類はほぼ把握してはいたが、最終的には事情に詳しいマレーシアの引っ越し業者に代行をお願いすることにした。少々高くつくが、不安があるならば代行業者に依頼するのも手である。依頼してよかった点は、フライト到着時間が夜8時だったため検疫官が待っていてくれるのかと心配だったが、業者の事前の電話連絡一本が功を奏したのか、無事、到着後たった数分で検疫を済ませることができたことだ。日本だったらありえないが、マレーシアの場合、到着時間によって検疫官が食事やお祈りに出ていたり、最悪の場合既に退社しているといった事態もなきにしもあらずなのだ。

愛犬と一緒に入国できた瞬間、面倒な手続きの疲れも吹き飛ぶ

飛行機での移動に関しては、健康面など心配なことがあれば、獣医に相談しておくのがよいだろう。我が家の場合は小型犬で、タイ航空か大韓航空であればペットを機内に持ち込めることがわかったので、タイ航空を利用しバンコク経由で移動した。ラッキーなことに、他の方に迷惑にならないようにと2人席の一席を空席にしていただけた。こうして我が家のお犬様は一席を独占して、慣れ親しんだソフトキャリーバッグの中で、仰向けでいびきをかきながらクアラルンプールに辿りつくことができた。

直行便でない場合は、経由地での検疫関連手続きのチェックも忘れずに。

わだ まきこ/プロフィール
早稲田大学大学院(教育学)修了後、渉外法律事務所、翻訳会社勤務を経て、出産を機にフリーランスで翻訳、執筆をスタート。愛犬の寝息を聞きながらの仕事は何より幸せ!? 2012年よりクアラルンプール在住。アルコムワールドをはじめ雑誌など、マレーシアネタに幅を広げて活動中。 マレーシア国立博物館日本語ボランティアガイド。ママ世代にとってはワーク・ライフ・バランスは永遠のテーマ。マレーシアでの生活からそのヒントを探っている。