第5回 気候節約ブックでエコに貢献

 
割引クーポンなどが集まっている冊子があります。レストランやお店でこの冊子のクーポンを切り取って持っていくと、割引や無料サービスが受けられるというもの。この気候保護版がハノーファーで発行されています。気候節約ブックKl...
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ハノーファー版の気候節約ブック

割引クーポンなどが集まっている冊子があります。レストランやお店でこの冊子のクーポンを切り取って持っていくと、割引や無料サービスが受けられるというもの。この気候保護版がハノーファーで発行されています。気候節約ブックKlima Sparbuchとよばれ、4.5ユーロで買い求めることができます。

このブックでは住まい、余暇、買い物、食事などテーマ別に、わかりやすく気候保護に寄与するアドバイスがまとめられています。巻末には約30のクーポンがついており、割引やプレゼントのサービスが受けらる。ほとんどが小さな地元のお店で、オーナーが信念を持って取り組んでいるのがわかります。

CO2の排出量を比較。1キロメートル走ると、バスは400グラム、車は1500グラム、路面電車は750グラム出す(左より)

またお店紹介だけでなく、生活全般について環境に関する事柄が記されています。例えば水道水。ミネラルウォーターを購入する人が多いのですが、私の住むハノーファーの水道水は最高の質とのこと。毎日飲んでも問題ありません。もし1日1リットル、ミネラルウォーターのかわりに水道水にすれば、一年で73ユーロ、CO2は70キロ削減できます。遠くから水を運んでくると、輸送に多くのエネルギーがかかりますし、瓶やペットボトルの容器も製造しなければなりません。

コーヒーのテイクアウトをする人が増えていますが、使い捨てカップは無駄の根源。1年間利用しなければCO2を40キロ削減できます。その他、車の替わりに自転車の使用をすすめたり、壁の断熱が暖房費節約となること、リサイクル紙の製品を買うことなど、さまざまなヒントが詰まっています。http://www.mundraub.org/map

この気候節約ブックは、2010年に始まり、毎年さまざまな4つか5つの都市で発行されています。2014年にはローシュトックやエムスランドなど4都市をはじめフランクフルトやミュンヘンなどで予定されています。私もカーシェアリングの10ユーロクーポンを利用し、フェアトレード店で買い物してチョコレートをもらいました。

外からの熱エネルギーを最大限に利用するパッシブハウス。壁の太さは約50センチ

気候保護ってなんだか難しそうだけれど、簡単にいうと「自分のことだけじゃなく、周りのことを考えること」では?。フェアトレードで発展途上国を支援したり、地元の野菜を購入すると自分の体にも環境にも農家にも寄与できます。目先の利益ではなく、長い目で自分と周りを見渡してみることなのだと思いました。この冊子はそのきっかけを作ってくれます。公式サイト(ドイツ語)

田口理穂/プロフィール
先日、パッシブハウスのスーパーを見学しました。ヨーロッパ第一号がハノーファー市内にあるのです。木造の概観で、内部はまったく普通のスーパーのよう。しかし冷蔵庫のセントラルクーリングシステムや外部の熱を取り入れた暖房など、新しい技術が駆使されていました。このスーパーで買い物すると、気候保護にプラスなるかしら。思ったよりも実は身近なところで、エコに貢献することはたくさんある気がします。