第6回 旅行はどうする!?

いよいよ最終回となる今回はペット連れでもやっぱり楽しみたい旅行をテーマにお届けする。

島国日本と異なるマレーシアの大きな利点。それはわずか2、3時間で近隣諸国にアクセスできること。国内旅行の感覚で海外旅行を楽しむことが...
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いよいよ最終回となる今回はペット連れでもやっぱり楽しみたい旅行をテーマにお届けする。

島国日本と異なるマレーシアの大きな利点。それはわずか2、3時間で近隣諸国にアクセスできること。国内旅行の感覚で海外旅行を楽しむことができる。そこでいつも悩むのが愛犬をどうするかだ。一緒に連れていくのか、預けていくのか。

最近、日本では犬と泊まれる宿泊施設も増えてきたが、犬がタブーのイスラムの国で犬連れ旅行をするのは至難の業。けれど全く不可能というわけでもない。実際、我が家はこの一年で2回、犬連れで旅行した。行き先はペナン島と、ローカルに人気のチェラティンビーチでどちらも車で行けるのがポイントだ。高速料金は激安なので懐にも温かいが、渋滞対策は必至。犬はサービスエリアでトイレというわけにはいかないので、車内にトイレシートを用意するのはもちろん、マレーシアの人たちはスロースターターが多いので、なるべく早朝にでかけよう。

愛犬に向けられた熱い視線の先はパピヨン愛好家のホテルMuntri Mewsのオーナーだった!
中華系とマレー系の文化が融合した素晴らしいプラナカンハウスのご自宅に招かれ最高の思い出に。

ペナン島の住民は中華系が大半を占めていることもあって、公園や市街地も犬連れで歩くことができた。

犬連れOKの宿として草分け的存在のチェラティンビーチ、Ruby’s Resort。
手作りらしいアットホームな宿。一歩部屋を出ればドッグラン、すぐそばにビーチ、愛犬にとってはパラダイス。
暑い中、海水でクールダウンしながらいつまでも遊び続ける愛犬の姿に胸がいっぱいになった。
宿の近くには犬連れで行けるレストランも。

この他にもランカウイやコタキナバルにも犬と一緒に行ける宿泊先があるようだが、こちらは飛行機移動となり、検疫手続きも異なるので、まだ勇気がなくトライできていない。

クアラルンプールには犬を飼っている人も多いため、ペットホテルは意外に多く、預けて旅行に行くことも珍しくないようだ。実際いくつか見学してみたが日本と比べて差異は感じなかった。ただ我が家の犬は、如何せん犬嫌いなので、他の犬と長時間過ごすことが大きなストレスになってしまうので、まだ利用したことがないが、慣れている犬なら大丈夫だろう。

ペットホテル以外の方法としては、知り合いに頼む、あとは現地らしい方法としてメイドにお願いする方法もある。知り合いに頼む場合は何より安心できるのがメリットだが、デメリットは休日は相手先と大抵重なり、また頻繁には頼みづらいこと。

後者はメイドに自宅に泊まって犬の面倒を見てもらう方法で、もちろん信頼できるメイドであることは大前提だ。犬にとっては環境が変わらず、しかも顔なじみの人が看てくれるのでストレスが少ない方法だ。日本人にとっては抵抗を感じる方法かもしれないが、経験済みの知り合いも何人かいるので、方法のひとつではないかと思っている。

日本であれ、海外であれ、ペットと暮らすのは手間もかかるし制約が多いなとつくづく思う。しかし、この一年で実感したことは、探せばいろんな方法が見つかるものだということである。私たちは一見面倒なペットとの生活を好んで選び、日々たくさんの幸せをもらっている。「この癒しのパワーはなんだろう」と思いながら、愛おしい家族の黒目がちな瞳を見つめてみる。

わだ まきこ/プロフィール
早稲田大学大学院(教育学)修了後、渉外法律事務所、翻訳会社勤務を経て、出産を機にフリーランスで翻訳、執筆をスタート。愛犬の寝息を聞きながらの仕事は何より幸せ!? 2012年よりクアラルンプール在住。マガジンアルクをはじめ雑誌など、マレーシアネタに幅を広げて活動中。マレーシア国立博物館日本語ボランティアガイド。ママ世代にとってワーク・ライフ・バランスは永遠のテーマ。マレーシアでの生活からそのヒントを探っている。