第18回 アマゾンの秘薬


実は今、アマゾンの植物を使用した製品の魅力にとりつかれている。といっても大手化粧品メーカーが出している、アサイーやクプアスー入りのシャンプーやクリームではない。アマゾン森林がもたらす自然の恵み、古くからインディジナに伝...
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実は今、アマゾンの植物を使用した製品の魅力にとりつかれている。といっても大手化粧品メーカーが出している、アサイーやクプアスー入りのシャンプーやクリームではない。アマゾン森林がもたらす自然の恵み、古くからインディジナに伝わる薬草で、原液や乾燥させた葉をそのまま使用する。

きっかけは、アマゾン地方の小さな露天。小瓶がずらりと並ぶ狭い店内に、小屋を囲むように吊り下げられた奇妙な粉や乾燥植物。強心剤、整腸剤として知られるガラナ、免疫強化作用で有名なキャッツクローをはじめ、様々なアマゾンの薬草が勢ぞろいだ。

現在ブラジル政府指定の保護地区で生活するインディジナをのぞき、かつての先住民たちは街で生活している。「私の家族は祖父の時代に街に来たわ。仕事をしてお金をもらって食べていく。そんな生活に慣れたから森には戻らない」という露天商のマリアさんだが、祖父の代から伝えられた知恵を生かして薬草を販売している。

アマゾン地方で生活する人々にとって、薬草は必需品である。第一に私が購入したのは、アマゾン地方では一家に一瓶あるというアンジローバのオイルの小瓶。喉の痛み止めに、筋肉痛のマッサージに、そして虫除け、火傷、しみに効果があるとまさに万能薬。汚れも落とすので、現在化粧落としに使用中。そして大酒のみには、胃腸、肝臓にきく薬草、ベロニカ。ついでに二日酔いに良く効くカラパナウーバの粉もゲット。この二つは購入後半年ですでになくなった。コパイバは日本では高価格だというはしたない理由で購入。8レアル(約400円)。胃炎に効くとのことで、朝のミルクやジュースに1,2滴加えている。

これらの薬草は、実はリオデジャネイロなどの都市でも購入できる。オーガニック製品を扱うショップや、薬草専門店で販売しているのだ。ブラジルにきたら、インディジナが伝える自然の恵みをぜひ試してほしい。アマゾンに足を運んだ際は、小さな露天で先住民の知恵を授かろう。あなたにぴったりの薬草が、必ず見つかるはずだ。

≪高橋直子(たかはしなおこ)/プロフィール≫
ブラジ ル在住10年目のフォトグラファー&ライター。若い情熱に惑わされてブラジルにはまり、まいた種が芽を出してはや7年。わんぱくに成長したわが子に、 読み聞かせ絵本のポルトガル語を直される毎日。ビールを片手に夜の街に出没し、サンバのステップに足を絡ませる日々を過ごす。ブラジルをあそぶブログ