第147号 夏樹

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この5月、2年ぶりに帰国した。いちばん嬉しかったのは、ネット上で知り合った地球丸や海外在住メディア広場のメンバーと、実際に出会えたことだ。


私は、人間同士のつきあいは、その人の体温を肌で感じ、視線を重ね合い、一緒に笑ってこそほんものと考えるタイプで、日常的にネットで通信するようになったのは、ほかの人々に比べてずっと遅れていた。お手軽な通信手段には懐疑的だったのだ。


それでも今回、ネット上の編集作業で、校正し合ったり意見を交換してきた仲間たちと初めてじかに出会って、すっと心を開き溶け込むことができた自分に気づき、「私も変わったなー」と実感した。
なにか共有できるものをみつけた瞬間、人はつながることができる。そもそも「書く」という行為は、共感してもらいたい、なにかを共有したいという思いから発することが多いと思う。最近、新連載が増えてきて嬉しいかぎりだが、「ああ、そうそう、私にもそんなことがあった」と思いながら読んでいると、不思議と自分にも次のアイディアが湧いてくる。


私が「地球はとっても丸い」プロジェクトに参加するようになって、もうすぐ3年目に入ろうとしている。ひとりぼっちでは書けない。読んでくれる仲間がいてこそ、言いたいことも生まれてくるものだと、思うようになった。

(在フランス・パリ 夏樹)