「マラソン」って聞くとどういうイメージがありますか? ランナーでない人はおそらく「ツライ」「キツイ」「ムリ」ではないでしょうか。私も以前はそうでした。長男の出産後、体型を元に戻したいという切実な想いから、三輪バギーにベビーを乗せてとりあえず走り始めました。すると子どもはすぐにお昼寝してくれるし、お腹は凹んでくるし、育児ストレスの解消にもなっていいことづくし!とはいえ根がぐうたら、何かチャレンジやご褒美がないと続けられないタイプなので、レースに参加するようになりました。
その時はじめて知ったのですが、走るレースっていろんな種類や距離があるんですね。オリンピックなど一般的なマラソンはフルマラソンの42.195キロを指しますが、そのほかにも半分の距離のハーフマラソンや10キロ、5キロ、3キロや小さい子どもも参加できる短距離のキッズランもあります。もっと上を目指したい人は50キロ、100キロ、500キロ……なども。一般道を走るマラソンや、山の中を駆け巡るトレイルランニング、山を一気に頂上まで駆け上るマウンテンレース、走るだけでなくカヤックやアブセイリングなどもするアドベンチャーレースなどレースの種類もたくさん!旅行好きの血も騒ぎ出し、いろんな国のマラソンに参加するようになりました。
この本を執筆したきっかけは、一昨年全身麻酔の手術をした後しばらく思うように体が動かず、身体の健康イコール心の健康だと気が付いた時。走るということはランニングシューズさえあれば、いつでもどこでも誰にでもできる一番簡単な健康維持法なのです。
身体が健康だと前向きにもなれます。距離も目的も自分で決め、がんばってもいいし、がんばらなくてもいい。すべては自分次第。スタートラインに立った時のわくわくドキドキやゴールした時の達成感は一度体験したら病みつきになるに違いありません。
「そんなにいいなら、走ってみるのもいいかも!」、と思ってくれる人が一人でも増えたらうれしいです。この本ではホノルルやシドニーの有名なフルマラソンをはじめマレーシアのキナバル山を駆け上るクライマソン、泥んこになる香港のスパルタンレースや世界遺産の万里の長城やアンコールワットマラソンなど10か国のレースを紹介しています。今の私のレース後のご褒美は、ご当地ビールで乾杯すること!
みなさんもちょっくら走ってみませんか?
《りんみゆき/プロフィール》
香港の離島でのんびりと暮らす旅ランナー。今後の目標は日本の47都道府県のランに参加し、日本を再発見すること。今の夢は東京オリンピックの聖火ランナーになること! インスタグラム runjapan47にラン記録随時アップ中。