243号/凛 福子

仕事柄、世界のいろいろなところに行く機会があった。トルファンや、アブダビ、つい先日トランジットで寄ったドバイなど、気温が40℃近いところを歩いたこともある。しかし、そんな私でも、この夏の日本の暑さは格別にキビシイ。東京都内でもなんと観測史上初の40℃以上(東京都下の青梅で40.3℃)を記録したほどだ。

ヒートアイランド現象に見舞われた都市部の暑さは、アスファルトの照り返しや、エアコンの室外機の熱風、過密な人口など、記録上の気温の数字だけでははかれないキツさがある。加えて、湿度も異様に高い。

救急搬送される人も多く、残念ながら命を落とす人の数も日に日に増加し、ついに「この暑さは災害レベル」という異例の発表があるまでの状況となった。暑いところとして、上記に挙げた都市では、昼日中に外を歩いている人などほとんどいなかった。私が行ったことのない他の暑い都市でも、おそらくそうだろう。

気温そのものを人の力で早晩どうにかすることはできないのだから、気候の変化をどのように受け入れ、対処していくかをすぐにでも考えていかなければならない。2年後にはこの街に五輪がやってくるのだから。

(東京在住:凛 福子)