264号/プラド夏樹

世界中でcovid-19感染抑止のためにロックダウンや外出禁止令が発布されていた間、地球丸もお休みを頂いていた。読者の皆さんはどのようにこの2、3ヶ月をお過ごしになっただろうか?

この間、色々な心配事に悩まされながらも、家で過ごす時間を利用してパソコンの前で一人で書き始めた人々は多かったらしく、私が暮らすフランスでは、出版社は、ロックダウンが解除された今になって通常の3倍もの持ち込み原稿を受け取って困惑しているという報道があった。「しばらくの間は持ち込み原稿お断り」とサイトに書き込んだ出版社もあったという。

インタビューに答えて、「良い作品は2、3ヶ月でサラッと書けないもの。今のところあまり良いものはない」とはっきり言う編集者もいた。しかし、これを機会にコツコツ書き始めた人のやる気をくじくのではあまりに勿体無い。これからではないか? コレラやエイズをテーマにした優れた作品が過去にあるように、Covid-19を題材にした作品でおもしろいものが出てくるのは必至である。

地球丸の編集部メンバーの間では、編集部がお休みをいただいていたこの時期に、とても嬉しいニュースがあった。校正に加えていつもメルマガ原稿を作成してくださっているメンバーのスプリスガルト友美さんが『ポーランド・ポズナンの少女たち~イェジッツェ物語シリーズ22作と遊ぶ』(未知谷)を出版されたのだ。ポズナンの大学修士課程でポーランド文学・語学専攻中に書かれたものだそうだ。日本に帰ったらぜひ読んでみたいと、今から楽しみにしている。友美さん、本当におめでとうございます!

(フランス・パリ在住 プラド夏樹)