4:完璧なまでのエコトイレ/ラオス

ラオスの田舎には、驚くべき究極のエコトイレが存在します!

ラオスは一部の都市を除いて、まだまだ未開の地が多く、人々の多くは高床式住居に住み、狩猟や森の恵みから生活の糧を得ている状態です。そして、貧しい家庭にはトイレはありません。そう、青空トイレですね。用を足したら、その辺の葉っぱできれいにふき取ります。でも、これがエコトイレというわけではありません。

中流以上の家庭になると、各家庭でトイレを作ります。地面に深さ2,3メートルの穴を掘って、中にブロックで囲いを作り、砂を敷いて、排泄用の穴を残してふたを作り、便器を備え付けます。そこを囲むように小さな小屋を作り、トイレは完成。排泄後は容器に貯めておいた水でおしりを洗い流します。紙は高価ですから使いませんので、穴には排泄物だけが溜まります。下水道設備がないので、こういった方法がとられているのですね。

10年ほど経って、穴 が排泄物でいっぱいになったら、トイレは解体して、上から土をかぶせ、さらにそこにバナナの木を植えます。そこに実ったバナナは、とーっても美味しいとの噂。排泄物はすべて土に返り、肥料としても活用されるのです。これこそ、寒い季節にお尻を水で洗う辛さを除けば、完璧なまでのエコトイレです。

村岡桂子/プロフィール
昨年末、3年半のラオス滞在を終えて、ついに本帰国となりました。今後も、この3年半で気づき(築き)あげたワールドワイドなネットワークを生かし、世界各地の新鮮な情報を伝えて行く予定です! ラオスでの「なんちゃってマダム生活」も近いうちにまとめようと計画中。最近では、LONGSTAY冬号(ロングステイ財団)に、ラオスの行事について書きました。現在、逆カルチャーショックの真っ只中。日本に住むありがたみを感じつつ、途上国で得たものを今後に生かせればと思います。