
1930年代、ポパイが宣伝したほうれん草は、中央アジアから西アジアが原産と言われています。英語のspinachの語源はペルシア語、という説もあり、日本では江戸時代初期(17世紀)頃に渡来、次第に食用されるようになりました。特に冬のほうれん草は、収穫前に冷温にさらす「寒締め(かんじめ)」を経た状態になり、糖度以外にも、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン値が上昇するため、栄養価が上がり、味わいも深いのだそうです。
今回は、ブエノス・アイレス出身の友人の「懐かしい味」、トルタ・パスカリナをご紹介します。
アルゼンチンでは、espinaca de china(中国ほうれん草)と呼ばれるミニほうれん草、つまりアジア産のほうれん草を使うそうですので、フランスでスペイン産ほうれん草を使用するより、日本のほうれん草で作ったほうがオリジナルに近いと言えるかもしれませんね。
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トルタ・パスカリナ La Torta pascualina
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◆材料
- 生ほうれん草 800gほど
- 直径28cm用タルト生地 2枚
- 卵 4個
- 卵黄1個分
- マッシュルーム300gほど
- エシャロット 3〜5個(なければ、たまネギ1個でも可)
- 液状生クリーム200ml
- グイエール、エメンタール、シェーブルなどお好みのチーズ100gほど
◆作り方
- ほうれん草は塩を入れた水でゆでて、水からあげておく。
- ゆで卵(固ゆで)をつくる。
- オーブンをあたためながら、パイ皿にパイ生地を用意。(私は、いつもフォークで少し穴をあけて、火をいれたばかりのオーブンに入れてしまいます。具を調理してパイにのせる約10分間に、すこし熱が加わる感じです)
- 荒く刻んだマッシュルームをフライパンでいためはじめる。色が変わってきたあたりでエシャロットのみじん切りも加える。そして塩&胡椒。
- ほうれん草の水けを手でしぼって、まな板の上でざくざくと切る。
- 4-で炒めたものにクリームと、5ーを足してフライパンの中でまぜたら、火からおろす。
- ゆで卵の殻をむいて、縦半分に切る。
- パイ生地に6ーを入れる。7ーゆで卵の切り口を上にし、すこしほうれん草の中に埋める感じで並べ、削ったチーズをぱらぱらとまんべんなくちらし、もう一枚のパイ生地で覆い、縁をかるく閉じる。
- 表面に卵黄を塗って、180度で約40分焼く。
《Tomoko FREDERIX/プロフィール》
1994年にパリへ移住。数年前からノルマンディ地方をベースに活動中。フランスの溢れんばかりの魅力が、リアルに伝わる記事の企画、コーディネイト、執筆などを担当しています。1995年から、実業の日本社発刊の旅のガイドブック『わがまま歩き』シリーズ他、美術雑誌、ヨーロッパ邦人向け情報誌への特集記事、ノルマンディ情報記事などを提供中。インタビュー(仏・英語)も可能。仏人ベテラン写真家と組んだ美しい紙面創りと、広範囲なサブジェクトへの、ご用命にお応えできます。仏映画製作プロダクションでのアシスタント、映画やドキュメント撮影、ビジネスおよび、MICE旅行、ビジネス・マッチングのコーディネイトの経験あり。フランスの企業や団体とのお取り引き、提携をお考えの方には、リサーチから受けたまわっております。日仏交流活動をサポートする協会『A.N.C.C (通称:にっぽん-ノルマンディ)』主催。個人ブログ ほか、東北応援活動ブログ など有り。