第19回 ビーチは美容院?ヘアケアは海岸で!

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ビーチの一年は、無料野外コンサートと花火で幕を開ける。「平和」を意味する白い服を着た人々が押し寄せ、新年を祝い抱き合う場所だ。2月には海の神、イエマンジャにささげる儀式が行われ、カーニバル時期には打楽器の音と踊り酔いしれる人々で埋め尽くされる。W杯を観戦する巨大スクリーンが設置されたのも、ミック・ジャガーの声が響いたのも白い砂浜だった。

コパカバーナ、イパネマ、レブロン。リオデジャネイロが誇る美しいビーチは、平日や冬でも多くの人が行き交う。砂遊びに夢中になる子ども達、愛犬の散歩、ジョギングをする人々。日光浴やビーチバレー、サーフィンを楽しんだり、ひたすら寝る人も多い。お尻の8割もはみ出るビキニを身につける女性が多い一方、宗教的な理由で服のまま海に入る人もいる。日焼けしすぎて真っ赤にゆであがった観光客に、抱き合う恋人達。異国から来た豪華客船に、海岸線に沿って飛ぶ宣伝用小型飛行機の横断幕。そして時折救命ヘリコプターで吊り上げられた人が、喝采と共に砂浜に降り立つ。

また女性の間で人気なのは、ヘアートリートメント。クリームを髪に塗りたくり、ちょっと一眠りするだけ。照りつける太陽の温室効果で、髪に成分がしっかりと浸透する。仕上げは海水でクリームを流し、つややかなヘアーの出来上がり!また、太陽光を利用してスピーディー脱色をする人もいる。40度近くにもなる夏のリオデジャネイロで、太陽光を直接浴びるだけでお肌に悪い気もするのだが、脱色剤を腕や足に塗って寝そべる女性はリラックスタイムを満喫している。

ビーチで遊び、出会い、飲み、寝る。ビーチは自宅であり、社交の場でもある。水と砂に魅了され人々が集まるリオデジャネイロのビーチでは、今日も様々なドラマが生まれているのだ。

高橋直子(たかはしなおこ)/プロフィール
ブラジ ル在住11年目のフォトグラファー&ライター。若い情熱に惑わされてブラジルにはまり、まいた種が芽を出してはや8年。わんぱくに成長したわが子に、 読み聞かせ絵本のポルトガル語を直される毎日。ビールを片手に夜の街に出没し、サンバのステップに足を絡ませる日々を過ごす。ブラジルをあそぶブログ