188号/増本昌子

今月号も楽しい旅の話が掲載されていますが、私も先日、パリに行ってきました。旅に出ると食生活が変わり、野菜や果物も不足して胃腸の具合がおかしくなります。そこで、不足するビタミンとファイバーをカバーするべく、レストランでは必...
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今月号も楽しい旅の話が掲載されていますが、私も先日、パリに行ってきました。旅に出ると食生活が変わり、野菜や果物も不足して胃腸の具合がおかしくなります。そこで、不足するビタミンとファイバーをカバーするべく、レストランでは必ずサラダを注文したのですが、これが「すごい!」と叫びたくなる一品でした。

付け合せではなく食事としてのメニューですから、ボリュームもさることながら、サラダが入ってくる器がすごいのです。どこのレストランでも同じ容器だったので、これがパリのサラダの標準仕様なのだと納得したのですが、モントリオールのレストランで使われている浅めのサラダボールとはまったく違うのです。

なんというか、一昔前に使われていた美顔用スチーマーを想像してください。手前が低く向こう側が小高くなっていて、顔がちょうどすっぽり入るように出来ています。といっても、これは純然たるサラダボールですから、中身は盛り上がるほどの野菜のオンパレードです。注文するバラエティーによって少しは内容物に変化がありましたが、ベースはミニレタスですから、食べ進むうちに、ひたすら草を食む牛の気持ちにも近づいてきます。最後になるころには噛むのにもくたびれて、顔がボールのなかに埋没しそうになりました。

お陰で胃腸の具合はすこぶるよろしく、2週間の外食生活もこのサラダの効用で問題なく過ごすことができました。モントリオールでは売っていない特別な食器なので、次回パリに行く機会があったときは是非ゲットしたいと思っています。

(カナダ・モントリオール在住 増本昌子)