207号/椰子ノ木やほい

今月はうれしいことがたくさんあった。
次男が5年越しの交際を実らせ6月13日に米国人女性と結婚した。孫の結婚を自分たちの目で確かめ、祝いたいと願う母、義母も日本から駆けつけてくれた 。持病のある高齢者だけでは心配だったが...
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今月はうれしいことがたくさんあった。

次男が5年越しの交際を実らせ6月13日に米国人女性と結婚した。孫の結婚を自分たちの目で確かめ、祝いたいと願う母、義母も日本から駆けつけてくれた 。持病のある高齢者だけでは心配だったが、幸い妹と義妹たちも都合をつけて“おばあちゃんたち”に付き添って来てくれたのはほんとうにありがたいことだった。

公園を借りてのウェディングは、若い二人が精一杯、力を合わせたことが伝わる、素朴で温かみのあるものだった。自分のために音楽を奏でてくれるようなダンナさまだったらステキだったのに……という自身の夢を子に託し、「お嫁さんには自作の曲を当日プレゼントすること」という母親の要望を息子に伝えておいた。

息子は母のわがままに応え、花嫁のために曲を作り、レセプションでは心を込めてギターで弾き語りしてくれた。笑みをうかべうっとり聞き惚れている花嫁の姿、曲を聴き感涙を流す花嫁の家族の姿を見て、しみじみと「幸せな日」を実感した。

次男のウェディングのおかげで、家族全員がフィアンセやガールフレンドを伴い集合したのもうれしいことだった。アルコールがまわった頃には、長女も長男も末息子もそれぞれのお相手と楽しそうに踊っていた。そんな姿を垣間見られたのは母として至極のシアワセの瞬間だ。

日本を脱出して18年。遠く離れて暮らす親不孝に、常に後ろめたさを感じているが、母や義母にわたしたち家族が生き生きと幸せに暮らしている姿を見てもらえたことが多少の罪滅ぼしとなることを信じたい。

(アメリカ合衆国・ミシガン州在住、椰子ノ木やほい)