第6回 ひとり旅は大変

ギニアにきて思ったのは、ひとりではとても旅できないなということ。バスや列車など公共交通機関がほとんどなく、市内の移動は乗り合いタクシーが主流です。タクシーの乗り場は行き先によってだいたい決まっているのですが、看板が立って...
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義務教育はなく、子どもたちも路上で物売り

ギニアにきて思ったのは、ひとりではとても旅できないなということ。バスや列車など公共交通機関がほとんどなく、市内の移動は乗り合いタクシーが主流です。タクシーの乗り場は行き先によってだいたい決まっているのですが、看板が立っているわけではなく、地元の人に尋ねるしかありません。しかし公用語はフランス語で、義務教育がないため地元語しか話さない人も多く、英語も通じません。しかも街中の交差点でタクシーを止めるさい、手の振り方で方向を表すというのですから、旅行者にはまったくお手上げ。周囲を押しのけて我先にと乗り込むのも大変だし、客は前2人、後ろ4人座るので窮屈な姿勢を強いられます。バンを改造した大型タクシーはひとりでも多くの人を乗せるため、車掌は車の上、または車の後ろ(外側!)に張り付いています。事故があったら一巻の終わりだと、見ている方がはらはらします。

首都コナクリのホテルは、ネットで検索すると3軒しか出てこず、すべて1泊数万円の超高級ホテルでした。実際には安宿もあるけれど、自力で歩いて探すしかなく、安全かどうかもわからない。個人旅行は非常に厳しいと感じました。

そう思うと、Yのうちにお世話になれてほんとにラッキーでした。そうでなければ、言語も習慣も社会インフラもこんなに違うギニアの旅はさんざんなものになったでしょう。地球は丸くて大きい。まだまだ未知の国があり、次はどこに行こうかとわくわくします。

田口理穂(たぐちりほ)/プロフィール
1996年よりドイツ在住。ジャーナリスト、ドイツ州裁判所認定通訳。著書に「なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか」(学芸出版社)など。
一人旅も好きですが、現地の人またはその国に詳しい人と一緒に行くと、いっそう濃い経験になると改めて思いました。どなたか旅をする方、誘ってください。