158号/西川桂子

5月7日、バンクーバーの韓国人コミュニティで東日本大震災の被災者のための募金イベントが開催された。郊外にある大きな公園を歩くウォーカソンで、韓国にとっては隣国である日本が震災で大きな被害を受けたことから企画されたものだ。

韓国人協会の主催だが、フィリピンやベトナム系、そして日系など、アジア人コミュニティにも声がかかった。参加者の大半は韓国系で、一部挨拶は韓国語のみだった。しかし、他のコミュニティもイベントのスポンサーとして協力していた。

ウォーカソン当日はあいにくの大雨。イベント主催者に聞くと、「目標の500人に対して、実際、集まったのは200人ほど」とのこと。それでも、合計で1万2000ドル(約100万円)が集まり、カナダ赤十字を通じて日本赤十字に送られた。韓国は『竹島』教科書問題から日本への態度を硬化させていると聞いていたので、ちょっぴり驚いた。

韓国系だけでない。中国人コミュニティをはじめ、様々なグループ、企業、組織が、カナダでチャリティ・ディナーをはじめ、日本の被災者を支援するためのイベントを行っている。バンクーバー水族館は、福島県のアクアマリンふくしまの復興支援として、入場料の一部を寄付したし、震災から4月末までは大手電話会社が日本への電話料金を無料にしてくれた。

我が家の子どもたちの通う学校でも、震災支援の募金活動があった。桜募金と名づけられていて、チラシには「日本はこれまでに多数の桜の木を友好の証としてカナダに贈ってくれた。今度は、カナダから日本へお返しする番」とあった。

世界各国で日本支援の輪が広がっている。これまでに日本が世界各国で支援を行ってきたお返しでもあるというが、すなわち次は私たちの番だ。改めて、感謝と助け合いの気持ちを忘れずにいきたいと思う。

(カナダ・バンクーバー 西川桂子)