第2回 会員制オーガニックショップで、安心して買い物を

ドイツではオーガニック食品の人気が年々高まっています。以前は、オーガニックショップに行くしかありませんでしたが、最近は普通のスーパーもオーガニックの食品コーナーを設けるようになりました。しかし普通のスーパーでは、トルコ産のトマトや中国産のニンニクもあり、本当にドイツのオーガニックの基準を満たしているのかいまひとつ信用できません。そんなときに安心なのが、会員制オーガニックショップ。ハノーファーでは、ヴェンドランドという団体が運営しているお店が市内に2軒あります。

種類が豊富な会員制オーガニックショップ

ここでは会員しか買い物できません。入会に60ユーロ(7200円)のデポジットを収め、毎月13ユーロ(1500円)会費を払います。デポジットは退会のさいに戻ってきます。共同組合のようなものですね。

オーガニックの商品は高いのが通例ですが、このお店では売値と仕入れ値はほとんど変わらないとのこと。製造者からフェアな価格で買い取り、質の高い商品を手ごろな値段でお客に提供することを目的としています。現在約1000人の会員が両店を利用しています。

お店を一軒、のぞいてみました。米や豆腐、牛乳、パン、調味料、缶詰、野菜、ワイン、化粧品、洗剤と何でも揃っています。穀物や乾燥した豆はさまざまな種類があり、健康的。アレルギーの人も安心です。オーガニックコスメやお米は他店より3割くらい安いみたい。毎月13ユーロ払っても、十分元が取れます。みな多かれ少なかれ顔なじみなので、昔の商店街にでかけるような親近感があります。店は隠れ家のように、中庭の奥の建物にあり、一般の人はまず気がつきません。一日4-5時間しか開いていない不便さがありますが、それも慣れてしまえばなんともありません。買い物のさいには、レジで自分の会員番号を告げます。

先日ドイツでは、冷凍食品のグラタンに馬肉が混じっていたとスキャンダルになりました。日本にも進出している家具店イケアのミートボールでも馬肉が発見され、回収騒ぎに。家畜への抗生物質投与も問題になっており、法規制を求める声が高まっています。食の安全が問われる中、このような会員制のオーガニックショップなら安心。ベジタリアンの友達は、ここで一日おきに野菜ジュースの材料を買っているそう。きしんだ木の扉を押して店に入ると、いつもの顔ぶれがあってうれしくなるそうです。最近、玄米ご飯に目覚めた私。ちょっとうちから離れているのが難点ですが、会員になろうかどうか思案しています。

田口理穂/プロフィール
ドイツは風力や水力、太陽光発電など再生可能エネルギーで消費電力の25%以上をまかなっています。3月末の週末は復活祭で、4連休でした。工場や企業が操業しないので、この復活祭で初めて全電力消費を再生可能エネルギーでまかなえるかも、と話題になりました。残念ながら、もう少しというところで及びませんでした。今年は3月になっても連日のように雪が降り、130年以来の寒さだったというの一因かもしれません。