196号/椰子ノ木やほい

7月はじめから2週間ほど日本に一時帰国した。夏と言えど比較的ドライで、からっとした暑さの米国・ミシガン州から、蒸し蒸しのジト暑を覚悟して故郷、名古屋入り。帰国するときはいつも、久々に家族と過ごす時間の合間をぬって、スケジュールびっしりで会いたい人との面会を楽しんでいる。

地球丸の活動は、今年で10年めなので、初期から活動を支えてくれている仲間とはネットを通し10年にも及ぶお付き合いということになる。今回は、いつもニアミスでなかなか帰国のタイミングが合わなかった、在フィンランドの靴家さちこさんとビンゴ! 帰省先から遠路はるばる来名して下さり、初のご対面が実現。いつも、おいしい食べ物エッセイを寄稿して下さる凛福子さんも東京から駆けつけてくれて、味噌カツ、きしめんを前に楽しいおしゃべりのひと時を過ごした。「地球丸」という活動を続けてきて良かったと思う瞬間だ。

そして、今回はもうひとつ福子さんがうれしいニュースを運んできた。地球丸創刊当時から、亡くなる直前まで精力的に寄稿して下さった、故平林豊子さんの遺志を受け継ぐ本、『エスニックファッションシーズンブック』 が誕生!とのこと。

エスニックファッションと旅が大好きだった彼女の第一弾『着こなせ!アジアンファッション WE LOVE ASIAN FASHION』、第二弾『WE LOVE エスニックファッションストリートブック』により紡がれた縁でエスノラバーズ(eTHno lovers)と命名されたユニットが生まれ、叶うはずのない第三弾が誕生した。凛福子さんは、ユニットメンバーのひとりでもある。

できたてほやほやの本のページをめくった。これほど、いきいきとした笑顔満載の本も珍しいのでは?と思わせるほど、載っている人々の表情が良くて、眺めているだけでウキウキがうつりそうだ。なるほど、豊子さんが魅せられたのもわかる気がする。裏話だが、表紙カバーを外したところに、以前地球丸にも寄せてくれた豊子さん画像を発見。きっと“あちら”でもこんな格好して第三弾の誕生を祝っているのではないかと想像しつつ、好きな活動を続けられること、仲間の存在とご縁のすべてに感謝したい気持ちになった。ありがとう。

(アメリカ合衆国・ミシガン州在住 椰子ノ木やほい)