ギニアをご存知ですか。西アフリカの海沿いにある国で、本州と同じぐらいの広さの国土に1300万人が住んでいます。ドイツに住んで20年となる私は、先日2週間ギニアに遊びに行きました。最高でした。暑さのため頭は回らず、物見遊山の私は何の責任もなく、ひたすらだらだらリラックスしました。「海外在住メディア広場」のメンバーで、ギニアでダンサーとして活躍するバー由美子さんとの出会いも刺激的でした。楽しかったギニア滞在の様子を、独断と偏見でお送りします。
11月終わりから12月にかけて、首都コナクリのギニア人女性Yのうちにお世話になりました。バスも列車もなくギューギューの乗り合いタクシー、色彩豊かな服装、野性味あふれるダンスをはじめ、本屋がまったくなく(少なくとも私は一軒も見なかった)、新聞や本を読んでいる人も見かけない、義務教育がない、首都なのに水や電気がしばしば止まる、敬虔なイスラム教徒が多くどこでもお祈り用マットが置いてある、ディスコではみんな100%オレンジジュースを飲んでいる(イスラム教はお酒禁止)……などなど衝撃的でした。
Yは現地の人といっても、ドイツ在住10年になります。今回たまたま、「2ヶ月里帰りする」「大きなうちに住んでいる」「知り合いのドイツ人Mが居候する」「部屋が余っているらしい」ときいて、Mに「いいなー、私も行きたいなー。行ってもいいかきいてみて」と頼み込んだのでした。ドイツ語堪能な現地人のおうちに居候させてもらえるチャンスなんて千載一遇。Yとはまったく面識がなかったのですが、Yは快諾してくれ、図々しい私は押しかけることにしたのです。
ギニアに到着して初めて、Yは30歳で子どもが2人おり、ドレスのレンタルや販売をするブティックを、コナクリに持っていると知りました。年金生活者のドイツ人男性Mと、35歳年下のYは大親友ですが(人種・年齢・性別を超えて!)、10年前にドイツのディスコで知り合ったのだそうです。すごいなー、そんなことってあるんだな。Yの夫はギニア人で、ドイツで小学1年生の息子とお留守番。背が高く迫力美人のYは1歳半の娘を連れて里帰りし、店を切り盛りしていました。
そんな事情もまったく知らず、押しかけた私。なんて図々しい……。けれど、押しかけてよかったです。ギニアの日常生活を体験し、初めてアフリカを知ることで、世界全体についての理解が深まった気がします。その詳細については次回以降、じわりじわりとお話しますね。
ちなみに下記は1月23日から始まるバー由美子さんの「アフリカンダンス & ドラム キャンプ」のサイトです。私もタイミングが会えば参加したかったなあ。
≪田口理穂(たぐちりほ)/プロフィール≫
1996年よりドイツ在住。ジャーナリスト、ドイツ州裁判所認定通訳。
著書に『なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか』(学芸出版社)など。ギニアで大らかさとアバウトさに癒され、極寒のドイツからギニアを懐かしんでいます。