271号/スプリスガルト友美

大変だった2020年がようやく終わり、2021年が始まった。

前回の編集後記では何を書いたかなと思い、読み返してみると、「コロナウィルスが広まり始める中、無事に日本語弁論大会が開催された」とあった。昨年の3月のことだ。ポーランドのみならず世界中でこの後、次々にイベントの中止が決まっていった。東京オリンピックまで延期されることになろうとは、誰が想像しただろうか。

ポーランドの学校は昨年9月から通常登校が再開されたのもつかの間、10月からリモート授業に切り替わっているが、冬休みが終わった1月半ばからは、小学1年生~3年生のみ再び登校できることになった。娘は6年生なので、学校に行く子どもたちを窓からうらやましそうに眺めている。

コロナ禍での外出制限は、娘が大好きな柔道の練習にも影を落としている。幼いころからオリンピックで金メダルを取ることを夢見て練習に励んできたが、思うように練習に通えないばかりでなく、試合も次々に中止になり、モチベーションは下がるばかり。

そんな時、娘を元気づけてくれたのが、練習場に通えなくても、家でできることを見つけてトレーニングを続ける、スポーツ選手の姿だった。インターネット上には、自宅での練習風景を公開するスポーツ選手の投稿がたくさんある。先日のニュースでは、世界で活躍するポーランド人選手の中から、昨年の全米オープンテニスで優勝したイガ・シフョンテック選手や、女子ハンマー投げオリンピック金メダリストのアニータ・ヴウォダルチク選手が、自宅やホテルの部屋で練習する様子が紹介されていた。

子どものヤル気を継続させるのは難しい。今のような状況にあってはなおさらだ。でもここをなんとか乗り切って、「こんな狭いところで練習したこともあったね」なんて笑いあえる日が一日も早くやって来ることを願っている。

(ポーランド・ポズナン在住 スプリスガルト友美)