国際色豊かなカナダのお弁当(在カナダ・バンクーバー)/西川桂子
カナダでは給食がある学校は少ない。我が家の子どもたちの通う小学校にも給食はなく、毎日お弁当だ。だから子どもが就学年齢になってからの頭痛の種はランチ(お弁当)だ。特に息子より大きな子どものいる日本人の友人から、おにぎりを持参させたら友達にからかわれたと聞いたために、何を持たせたらいいのかと困ってしまった。
本人に希望を聞いたら、「サンドイッチがいい」と言う。とりあえずパンの種類や中身を変え、ラップタイプにしたら翌日は食パンのサンドイッチと工夫していた。
そんなある日、「カイル君は毎日、巻き寿司だよ。僕もお寿司が食べたい」と言い出した。カイル君のお母さんは日本人だ。
ランチといえばサンドイッチというのは一昔前のお話のようで、バンクーバーあたりの今どきのお弁当はバラエティ豊かだ。パスタやピザ、具がいっぱいのデラックスサラダにスープ、あるいは炒飯とおかず、インド系はサモサなど。高学年になると教室に電子レンジがあるので、温めて食べる料理が人気らしい。
昼休みに作りたてのお弁当を届ける保護者もいる。しかし、マクドナルドの袋を持って小学校を訪れる保護者を見たときには驚いた。移民の国、カナダではランチも多国籍、多様だ。
【朝日小学生新聞「朝日おかあさん新聞」掲載】